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2010年6月 1日 (火)

総主事 就任にあたって

岡田 仁(おかだ ひとし/総主事)

 この4月より財団法人基督教イースト・エイジャ・ミッション(財団)総主事に就任致しました岡田です。どうぞ宜しくお願い申し上げます。 

 

財団は1951年にドイツ東亜伝道会(DOAM)とスイス東亜伝道会(SOAM)によって京都に設立され、東京の事業団体であった富坂キリスト教センター(TCC)は、1982年に研究と研修の二つの活動を立ち上げました。研究会では、キリスト教社会倫理、諸宗教間対話、エキュメニズムの諸課題を学際的に共同研究し、その成果を出版することによって日本の教会の宣教に資することを目指しました。他方、研修は、相互牧会の会、相互牧会協議会、アジア諸教会共同研修会といった形で行われましたが、19992年から20001年まで研究活動に一本化された時期を経て、20002年に牧師研修企画委員会が発足、20003年より八甲田、鹿児島、松山、佐渡における現地研修会、さらに2006年にはドイツよりB・クラッパート教授をお招きしての合同牧師研修会を持ちました。今秋には同教授を再度お迎えして、第2回合同研修が予定されています。 

 私は2003年から約3年間この牧師研修に関わらせていただき、霊的な修練と祈りの共同生活の豊かさを経験致しました。関西学院で神学を学び、水俣での現地研修を経、佐世保の教会に赴任したのが14年前でした。これらは公害と基地の町で知られていますが、アジア侵略の拠点としても共通しており、そこから今もなお平和と生命の問題が問われ続けています。「日韓併合」から100年を数える今年、南北朝鮮の平和統一問題、北朝鮮、韓国、中国、台湾と日本の関係、日本の教会の取り組みの困難さは確かにありますが、「東アジアの平和を目指した自律的協力関係」(池明観)をつくるのは私たち一人一人でしょう。歴史認識の共有とエキュメニカルな対話、国際文化交流を深めるなかで真の信頼と協働の関係は築かれ、このことが世界の平和につながるものと確信致します。 

 20008年に財団とTCCは一体となり、昨秋の合同協議会(DOAM、SOAM、財団)では寄付行為の改定が決議されました。1961年のWCC総会「ニューデリー原則」(宣教団体の遺産をその地の教会・キリスト者に委ねる)を踏まえての決定でした。このような歴史的使命を継承し、具体的に担う財団は、第1事業体のTCC、第2事業体の山上国際学寮、第3事業体の京都宗教学際研究所、そして第4事業体の社会福祉児童デイサービスを運営するのです。今後はさらに、クリスチャンを含む宗教者ソーシャルワーカーの研修訓練をはじめ、社会教育、人材育成といった公益に資する事業の展開が望まれます。伝道、教育、(社会)奉仕を包括するミッションの方向性とその意味を今日的状況のなかで問いつつ、苦悩を抱えるこの世のニーズに傾聴し、隣人にどこまでも仕える団体でありたいと願います。これまで様々な形で財団 TCCに関わって下さった方々と研究・研修の豊かな成果を分かち合い、共に将来に向けたビジョンを協議できれば幸いです。そのためにもまず私自身が、諸課題に真摯に取り組まれている方々の現場を訪ね、学ばせていただかねばと考えています。今後とも皆様の一層のお祈りとご支援を宜しくお願い申し上げます。

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