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2011年6月

2011年6月 1日 (水)

富坂だより第27号

発行 2011年06月01日

<見舞文>

富坂だより 巻頭言 「富坂子どもの家 開所式式辞」 (所 久雄)

「社会事業の歴史・理念・実践~ドイツ・ベーテル研究」研究会(山本 光一)

歴史的検討 共同討議<キリスト教と天皇制>予告(岡田 仁)

『富坂キリスト教センター(基督教イースト・エイジャ・ミッション)紀要』(第1号)を刊行しました

いのちと多様性を大切にする学寮を目指して~山上国際学寮活動報告(岡田 仁)

<寮生から>(ダビッド・カズノヴ)

ドイツ研修生の感想文 前文

ドイツ研修生の感想文(ミリアム・イエケル)

ドイツ研修生の感想文(マティアス・ゾンライトナー)

シリーズ「ドイツから直行便で」⑪原子力発電は現代のバベルの塔か」― 「フクシマ」とドイツの原子力政策をめぐって―  (相賀 昇)

富坂キリスト教センター 活動報告(岡田 仁)

編集後記(「冨坂だより」編集委員会)

<見舞文>

 東日本大震災で被災された方、ご家族が被災地にいらっしゃる方、またこの災害の影響を受けられたすべての方々に、心から哀悼とお見舞いを申し上げます。 財団法人基督教イースト・エイジャ・ミッション 理事長 所久雄 及び 役職員一同

富坂だより 巻頭言 「富坂子どもの家 開所式式辞」 

所 久雄(ところ ひさお/財団法人基督教イースト・エイジヤ・ミッション理事長)

 当財団法人は1800年代半ば、一人のスイス人牧師Ernst Buss(1843年生)がオランダのハーグに本部をもつ「キリスト教擁護会」がキリスト教伝道に関する懸賞論文(神学的著作)を募集したのに対して応募した著書「キリスト教伝道-その原理的根拠並びに実践について」(Die christliche Mission, ihre prinzipielle Berechtigung und praktische Durchführung.)に端を発しています。1876年に出版された352pageに及ぶ労作ですが、これに共鳴した者たちが1883年スイスのOltenに集まり伝道会設立を協議し、もっと広く支持を得ようとして、スイス内外ドイツ、フランス、イギリス、アメリカにも声をかけて翌1884年場所をドイツ、ワイマールで設立総会を持ったことにはじまります(明治17‐8年)。その団体名は東アジアミッション(Ostasian Mission)ですが、爾来今年で126年目を迎えています。当初ミッションはインドをめざしていたようですが、ポツダムに居たRitterという親日家の牧師が開国して間もない日本に向かうべきであるというすすめで東アジアミッションの会計係をしていたスイス人牧師Wilfried Spinner が最初の宣教師として来日し、東京で1885年から1891年まで伝道活動をしたという記録があります。

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 児童デイ

 児童デイサービス富坂子どもの家開設にあたっては、次の団体及び個人様はじめ多くの皆様より多大なる支援及びご協力をいただきました。~東京諸聖徒教会、社会福祉法人からしだね、善福寺子供の家、特定非営利活動法人東京モンテッソーリ教育研究所、社会福祉法人京都国際社会福祉協力会、日本モンテッソーリ協会、特定非営利活動法人たびだち、東京YWCAキッズガーデン、吉村小児科、平和眼科、余郷志津子、香川澄子、バキ・ゲンツ、野口明子、改田明子(順不同・敬称略)、他多くの皆様~ 職員一同心から感謝申し上げます。

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「社会事業の歴史・理念・実践~ドイツ・ベーテル研究」研究会

山本 光一(やまもと こういち/ 日本基督教団 京葉中部教会牧師)

 今年度から「社会事業の歴史・理念・実践~ドイツ・ベーテル研究」研究会が設けられた。 この会の主旨を「ドイツ・ベーテルに学び、日本のキリスト教会が行ってきた社会事業の歴史と理念、実践を学びながら、この先、キリスト教会がどのような理念を持って社会事業を実践していくべきかを明らかにすること」とした。 研究者を選考するにあたって、重視したことは、実践者に加わっていただくことだった。 それぞれの現場で、社会事業の歴史と理念を踏まえながら、この先、キリスト教会がどのような理念を持って社会事業を実践していくべきかは、現場でさまざまな具体的問題に直面し、その限界に直面している方々が、一番それを良く知っておられると思ったからだ。

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歴史的検討 共同討議<キリスト教と天皇制>予告

岡田 仁(おかだ ひとし/担当主事)

 富坂キリスト教センター(TCC)は、三十年来キリスト教社会倫理の諸問題を学際的に研究し、その成果を出版してきました。その出発点の一つが「キリスト教と天皇制」研究(第1~5期)です。ここ数年、TCCと財団法人基督教イースト・エイジャ・ミッション(CEAM)一体化への移行に伴う財政上の問題から活動全体の縮小を余儀なくされてきたことは事実ですが、第6期研究会発足を提案されていた故土肥昭夫先生との話合いが不十分のまま今に至ったことは残念でした。敗戦後66年を経たいま、天皇制とは何であり、教会はいかにこのシステムを捉えるのか。戦後「象徴天皇制」研究の可能性についてTCC運営委員会はこの間協議してきました。そのなかで第1期から5期までの「キリスト教と天皇制」研究会の成果を総括するべきであるとの結論に至り、今年の秋に「共同討議」を企画することに致しました。長きにわたって座長を務められ、2008年に召天された土肥先生を記念するレセプションも予定しております。

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『富坂キリスト教センター(基督教イースト・エイジャ・ミッション)紀要』(第1号)を刊行しました

 今年3月「紀要」第1号を発行しました。今後、年一回のペースで刊行してゆきたいと願っています。 また、別刷に今までに富坂キリスト教センターによって刊行された書籍の一覧を掲載しました。お問い合わせは当センターまで。☎:03-3812-3852FAX:03-3817-7255

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いのちと多様性を大切にする学寮を目指して~山上国際学寮活動報告

岡田 仁(おかだ ひとし/所長)

 「多様性を認めつつ一致を目指す」をモットーに一昨年、山上国際学寮はスタートしました。都心で静かな環境のもと研鑽を積むだけでなく、留学生と日本人学生、国内外の研究者とその家族が生活を共にし、豊かな出会いを通して国際交流を深めるユニークな学生寮として、この春までにのべ19ヶ国54名の寮生が共同生活を営んできました。多くの皆様のお祈りとご支援に心から感謝を申し上げます。昨年度は、近隣や文京区、教会関係などのボランティアの協力を得て、毎月定期的に様々なイベントや寮生会が行われました。

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<寮生から>

ダビッド・カズノヴ(だびっど・かずのぶ/博士)

 フランスのCasenoveです。今年の4月から2号館の101部屋に、フィリピンの婚約者と一緒住んでいます。2006年、博士課程に入る為、文部科学省の奨学金をもらって日本に来ました。専門は古生物学すなわち昔(5億年前)の生物の研究です。具体的に、カンブリヤ紀のプランクトンの仲間(=ヤムシ)の生活と生態を研究して、あの時代の海の環境は現在の海とどう違うか調べようと思います。ヤムシと言うのは、海産の小さな動物で,その多くは浮遊生活をしています。バイオマスも大きく,海洋生態では重要な位置を占めています。カンブリヤ紀からずっと生き残ったヤムシはどう進化したのか?卒業論文を完了したのに、まだその謎が解けてないです。

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ドイツ研修生の感想文 前文

 財団京都宗教学際研究所は、2010年度もドイツEMS(南西ドイツ福音主義教会宣教局)とNCC京都宗教研究所との共催事業の一つとして、EMSから4名の研修生を受け入れました。フィンクバイナー牧師の引率のもと彼らは、NCCで企画された京都での諸宗教間対話プログラム、東京での神社神道、鎌倉仏教研修、TCC恒例のクリスマス会に参加されました。財団CEAMは、この企画のための一定の資金援助と宿泊提供をしておりますが、その際に京都「国際学生の家」(内海博司理事長)のご理解とご協力をいただきましたことを感謝をもってご報告申し上げます。 以下に、EMS研修生の感想文を掲載いたします。

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ドイツ研修生の感想文

ミリアム・イエケル(みりあむ・いえける)

 富坂クリスチャンセンター(山上国際学寮)には二度にわたり滞在させていただきました。最初は12月で、京都でのプログラムをともにしたメンバー達と引率スタッフとともにでした。東京での滞在中は、この大都市において、また非常に詰まったスケジュールの中において、富坂は本当の家のように安心してまた心地よく過ごすことのできる場所でした。なかでも富坂のクリスマス祝会は、本当に楽しく参加させていただき、山上国際学寮の他国からの学生達とともに、楽しい音楽や素晴らしい食事を楽しむことができました。あれからもう数カ月がたち、私は帰国いたしました。日本滞在中は実はパスポートを紛失してしまったりとちょっとしたトラブルもありましたが、研修を終えて無事に帰国することができました。私が過ごさせていただいたお部屋は私にとっては少々狭く感じるものでしたが、それでも快適に何不自由なく過ごすことができました。私が知っている他のどの寮よりも、明るく落ち着いた雰囲気でした。大きな共同キッチンのスペースがありましたが、これは私にとっても食費を節約できただけでなく、他の寮生と知り合えるよい機会でもありました。短い滞在でしたから山上国際学寮の良いことをすべて語りつくすことはもちろんできませんが、私にとっては本当にみな親切で快適な場所で、本当に感謝しています。

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ドイツ研修生の感想文

マティアス・ゾンライトナー(まてぃあす・ぞんらいとなー)

 「信頼は私たちを分断しないが、無知が私たちを分断する」。この言葉は、無知の回避を目的とした研修生プログラムの要素です。京都と同様に、富坂キリスト教センターではとても快適に宿泊させてもらいました。岡田牧師は、私たちの滞在を快適にするために努めてくれました。私たちがクリスマスの時にセンターでの生活を経験できたことは意味のあることでした。礼拝に出席した後、引率の上田博子さん(NCC)と共に訪ねた能楽堂で私たちは日本の文化を見出しました。荒井仁牧師(鎌倉恩寵教会)に案内いただいた鎌倉には日本の歴史的根幹があり、感銘深い印象を受けました。銭洗い弁天や長谷寺といった神社仏閣と共に、鎌倉は日本における諸宗教の和解を明確に私に示してくれました。寺院の中央にある社を誰も不愉快に思わない。ヨーロッパの閉鎖的見地からもこのことは想像できないことです。

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シリーズ「ドイツから直行便で」⑪原子力発電は現代のバベルの塔か」― 「フクシマ」とドイツの原子力政策をめぐって―  

ベルリンの復活祭デモ行進―「原子力?いえ結構です」の旗を掲げてさ

相賀 昇(あいが のぼる/日本基督教団 田園都筑教会牧師)

 東日本大震災による甚大な被害、さらに高濃度の放射線災害という同時複合災害の現実に直面し、この間私たちは絶えず神様に「なぜですか」と問い続けてきた。しかし福島第一原発事故に伴う一連の危機を見る限り、私たち自身に対する神様からの問い、つまりひとが築いてきた文明のあり方、その豊かさや繁栄の本質は何かという問いの前に立たされていることもまた確かであろう。創世記にはバビロニア人が「天まで届く塔のある町を建て、有名になろう」(11:4)とした「バベルの塔の物語」がある。彼らは人間の能力で自然・環境を意のままにして神の高みにまで到達しようと、つまり「傲慢」になった。しかし主なる神の介入によってバビロニア人が「この町の建設をやめた」という結末、遂にはバビロニアの覇権主義が頓挫したことを告げている。現在の福島第一原発のトラブルを見るとき、あの創世記の物語ははるか遠い昔のことではなく、専門家の想定外の事態に陥って暴走しコントロール不能となり、その残骸をさらしている有様はまさに21世紀のバベルの塔ではないだろうか。そしてそのような人災を招いた原因こそ、不倒神話や安全神話を作り上げそこに安住してきた人間の傲慢ではなかったか。

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富坂キリスト教センター 活動報告

岡田 仁(おかだ ひとし/総主事)

 2010年10月7日、富坂キリスト教センター出版講演会が北海道クリスチャンセンターで開催されました。センターの事業紹介のあと、センター刊行物の『北朝鮮の食糧危機とキリスト教』、『鼓動する東アジアのキリスト教~宣教と神学の展望~』、『原典現代中国キリスト教資料集~プロテスタント教会と中国政府の重要文献 1950-2000~』などをふまえた講演「エキュメニカルからローカルへ~ロシア、中国、韓国、北朝鮮、日本の教会とキリスト教~」(講師:鈴木正三センター元総主事)を行いました。小さな集会でしたが、現場の声に耳を傾けることでセンターの方向性や使命が示されてきたこと、このような会を継続することの大切さを改めて知らされました。忙しいなか出席下さった方々、特にご協力下さいました北海道キリスト教書店の亀岡顕さん、北海教区幹事の日向恭司さんに感謝致します。翌10月8日には日向さんの案内で浦河べてるの家を訪問。全国大会直前にもかかわらず、向谷地悦子さんや作業所の皆さんに受け入れていただき感謝でした。

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編集後記

「冨坂だより」編集委員会(とみさかだよりへんしゅういいんかい)

 東日本大震災の後、4月までの間にP.シュナイス牧師(DOAM会長)はじめドイツの教会、牧師研修所、州教会などの諸団体から震災へのお見舞いや被災地支援申し出のメールが連日のようにセンターに届きました。NCCや教団奥羽・東北教区に設置された窓口をお伝えし、すでに応えて下さったところもあります。心より感謝を申し上げます。不十分ながらこのこともセンターの働きの一つと思わされました。同時に緊急な課題や痛みを抱える現場の声にどれほど真摯に耳を傾けてきたかを痛感させられています。物心両面にわたって救いと癒しを求めておられる方は大勢おられます。長期的な視野に立ちつつ、皆様に支えられながらセンターとしてなすべきことを祈り実施してまいりたいと願うものです。

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