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2011年6月 1日 (水)

「社会事業の歴史・理念・実践~ドイツ・ベーテル研究」研究会

山本 光一(やまもと こういち/ 日本基督教団 京葉中部教会牧師)

 今年度から「社会事業の歴史・理念・実践~ドイツ・ベーテル研究」研究会が設けられた。 この会の主旨を「ドイツ・ベーテルに学び、日本のキリスト教会が行ってきた社会事業の歴史と理念、実践を学びながら、この先、キリスト教会がどのような理念を持って社会事業を実践していくべきかを明らかにすること」とした。 研究者を選考するにあたって、重視したことは、実践者に加わっていただくことだった。 それぞれの現場で、社会事業の歴史と理念を踏まえながら、この先、キリスト教会がどのような理念を持って社会事業を実践していくべきかは、現場でさまざまな具体的問題に直面し、その限界に直面している方々が、一番それを良く知っておられると思ったからだ。

 キリスト教会において、社会的弱者とされた方々と共に歩もうとする理念と実践は、長い歴史を持っているはずだ。これまでも多くの方々がこのテーマに取り組んでおられると思う。この研究会の作業もその取り組みの一助となり、将来の宣教の業を展望するキリスト教会に資することができるようにと願っている。 5月9日、第1回目の研究会を行った。研究者として就任をお願いした方全員が出席してくださった。 この日は、自己紹介に時間をたっぷりと割いた。違った専門の分野で活躍されている方々であるから、まず、それぞれに何をされているのか伺おうということになった。 向谷地悦子さんは、社会福祉法人「浦河べてるの家」就労サポートセンターサービス管理者。「べてる」のメンバーは、主に統合失調症の方。浦河の町の方と共に「病気を生きる」群れを模索されている。 長沢道子さんは、社会福祉法人「牧の原やまばと学園」理事長。ハンディキャップをもつ人々や高齢の方々と共に、そして、地域の人々と共に歩むことを法人の理念としておられる。 平田義さんは、愛隣デイサービスセンター所長。重症心身障がい者通所施設「シサム」など、幅広く障がいを持った方との歩みを共にしておられる。 難波幸矢さんは、瀬戸内ハンセン病人間回復裁判を支える会代表。この日は、おつれあいの難波紘一さんが難病筋ジストロフィーを患い、彼と共に歩んだ経験をお話くださった。 橋本孝さんは、宇都宮大学名誉教授。ドイツ文学、特にグリム兄弟の研究者としてドイツ滞在中、ふとしたことからベーテルに滞在。この10年ほどは毎年ここを訪問して「奇跡の医療・福祉の町 ベーテル」などを出版。日本にベーテルを紹介されている。 岡田仁富坂キリスト教センター総主事がこの研究会の主事として就いてくださり、山本光一が座長に就いた。山本光一は、この研究会に在ってテーマに即した何の専門者でもなく、社会事業の現場も経験がない。ただ、この30数年間、統合失調症の弟と共に歩むことを強いられて、「仕えること」の在り様が厳しく問われているキリスト教会の牧師として歩んでいる。 メンバーは、橋本孝さんを除き、全員が日本キリスト教団の教職と信徒である。このようなメンバー構成となったのは、この研究会が、これからの宣教を展望しようとするキリスト教会に資するものでありたいと願ったからだ。 研究会の席で、みなさんの自己紹介を伺いながら、わたしは、「教会は他者の為に存在して、はじめて教会である」という言葉が思い出された。

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