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2011年6月 1日 (水)

いのちと多様性を大切にする学寮を目指して~山上国際学寮活動報告

岡田 仁(おかだ ひとし/所長)

 「多様性を認めつつ一致を目指す」をモットーに一昨年、山上国際学寮はスタートしました。都心で静かな環境のもと研鑽を積むだけでなく、留学生と日本人学生、国内外の研究者とその家族が生活を共にし、豊かな出会いを通して国際交流を深めるユニークな学生寮として、この春までにのべ19ヶ国54名の寮生が共同生活を営んできました。多くの皆様のお祈りとご支援に心から感謝を申し上げます。昨年度は、近隣や文京区、教会関係などのボランティアの協力を得て、毎月定期的に様々なイベントや寮生会が行われました。

国際交流を目的とした四季折々のプログラムでは、伝通院の夜桜散策、小石川後楽園の菖蒲園、江戸東京博物館と浅草・浅草寺、紅葉見学(ガイド:齋藤佐智子さん)やコリアタウンと高麗博物館研修(ガイド:鈴木伶子さん)など近隣の文化財など歴史研修をかねたツアーをはじめ、薩摩・平家琵琶演奏会(G・ギッシュさん)、筝曲演奏とお琴体験(佐藤逸子・太田美紀江さん)、書道体験(文京区書道連盟の方々)といった楽しい企画も実施しました。7月には東友会の山田玲子さんをお迎えして公開平和学習会「被爆体験者のお話を聴く会」を、9月にはドイツのB・クラッパート教授による公開市民講演会「現代世界の平和構築のための諸宗教間対話」を行い、寮生や近隣の多くの方と今日の時代における平和について考えました。12月には恒例のクリスマス会。キャンドルサービスの後、職員スタッフによる手作りの夕食を共にし、佐藤羑子さんの独唱や合唱など、ドイツからの研修生も加わって楽しい夜を過ごし、1月にはお雑煮など正月料理を体験しました。寮生会ではそれぞれの研究テーマや出身国の歴史や文化を短く紹介してもらい、お茶を飲みながら身の回りのことについて話し合います。参加した方からはどの企画も好評を得ています。未曾有の震災とそれに伴う余震や原発事故の影響で、多くの被災された方の苦境に心を痛めつつ、当学寮も入居者の殆どが東京を離れ一時帰国をしました。初めて体験する地震や錯綜する原発事故の情報に少なからず戸惑いを覚えたことでしょう。精神面でのケアと共に正確で迅速な情報収集と共有、普段からの対話がいかに重要であるか痛感させられています。昨日(5月9日)の寮生会では、久しぶりに戻ってきた寮生たちに加え、数名の新しい入居者合わせて20名ほどが集まりました。寮での防災対策を確認した後、大倉準さん(立教大生)による日本の文化と東日本大震災の状況についての発表を写真やデータで詳しく学びました。共にいのちと多様性を尊重する世界を目指して今後も歩み続けたいと願っています。

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